あれから一月半が経った。

太陽はますます燃え盛り、正午の波間は目が開けられないほど光ってる。

本格的な夏が訪れようとしていた。

あたしは結局、島をぐるりと旋回して、西側のリーフに留まっていた。

何故ならここはお魚が豊富で、棲み易かったから。

他意はないわ。

ホントに。

ホントよ?

昔の騒がしい海よりも、ここの方が居心地がいい、それだけよ。

逃げ出そうとした鰯ちゃんを、パクリとくわえると、つるんと飲み干した。

ひとりだって、ちゃんと生きてくんだから。

いつものように、食事して、自慢のボディを磨いて。

もう、寂しいなんて思わないもの。

あたしは十分すぎるほど強くなったわ。

強いといえば、この異常な気象もたまらない。

午前中は異様なスピードで気温が上昇。

それが夜は嘘のように冷めていく。

今日も例のごとく、容赦ない太陽光線が降り注いでいたが、午後も半ばを過ぎると、若干日差しが和らいできた。

運動して息が上がったあたしは、水面に大きく身を乗り出した。

・・・あれ。

あたしは鼻をヒクヒクさせた。

雨でも降るのかな、なんだか変わった臭いがする。

すると。

プァーーーーーーーン!!!!

大きな音がして、白い壁がすぐ後ろを掠めて言った。

ちょっとっ!

死っ、死ぬかと思ったじゃないっっ。