「よお、咲希。」 「…私、教室戻るから。」 私はシン兄が嫌いだ。やっぱりお母さんと私を裏切ったって思うし、数年間離れてたんだから今さら何話していいのかわからない。 私が足早に教室に戻ろうとすると、シン兄は私を呼び止める。