「由梨ちゃん、 何かほしいものない? ママが、 何でも買ってあげるから。」 いつものように、 部屋の扉の向こうで、 ママの猫なで声がする。 私が物につられて、 機嫌を直すと思ってるらしい。 残念ながら、 私は小さな子供ではない。 みえみえのママの手口に 腹が立ち、 私は、絶対に お金では買えないものを 口にした。