一日かけて島中を巡り、 本土の会議室へと戻ってくる頃には、 賞賛の声以外は聞こえなくなる。 「いや、すばらしい! わが国にもぜひ作ってほしいですな」 「まったくだ。どうか、今度わが国においでくださいませんか? ぜひご指導をいただきたい」 「いや、わが国もです!」 「どうか、わが国にも!」 先を争って私を絶賛し、招待したがる人々を前に、 私は満面の笑みを浮かべた。 と、なにやら一人だけ輪の中からはずれ、 後方に座っている男が目に入った。