「昔、じーさんの手伝いをした事のある人間の話によると、

夢を操作して、自分の理想の夢を見られるものらしい」


「例えば、芸能人になりたいとか、ケータイ小説家になりたいとか?」


「そう。それを設定して、カプセルの中で寝れば、

夢の中で芸能人になったり、ケータイ小説家になったりできるそうだ」


「ふ~ん。ま、面白そうな話ではあるが、しょせん夢だろう?」


「まあな。

装置は発売されることもなく、じーさんの棺おけになったわけだからな」


「しかし、そんな装置、開発されたら困るんじゃねえか?」


「なんでだ?」


「だって、考えてもみろよ。

眠ってるときは良くても、目が覚めたら現実を直視しなきゃいけないんだぞ?

お前、ギャップに耐えられるか?」


「う~ん。言われてみればそうかもなぁ。

キムタクになったつもりで、朝鏡を見たら自分の顔が映ってるんだもんなぁ。

ショックかもなぁ」