「それで、そのじいさんの死因は?」


「それが、状態がおかしかったんで検視にまわしたが、

胃の中が空っぽ。つまり餓死だった」


「食べるものがないくらい貧乏だったってことか?」


「いや、それが、部屋の中には食べ物がたくさんあった」


「じゃあ、なんで?」


「それがどうもおかしい話なんだが、

そのじいさん、妙な実験をやってたらしいんだ」


「実験?」


「そう。

なんでも、完璧な睡眠を与える装置、ってのを開発してたらしくてね」


「完璧な、睡眠?」