そしてそれから一年後。
私は、私の予想通り、セレブの仲間入りを果たした。
例の装置は売れに売れ、世界中から注文が殺到。
新聞や雑誌にも取り上げられ、いまや、超のつく有名人だ。
もちろん金のほうも、がっぽがっぽ儲かっている。
なにせ、特許料として何もせずともお金が懐に入ってくるのだ。
笑いが止まらないとはこのことだろう。
今まで私を白い目で見ていた連中も、
掌を返したように私にゴマをすり始めた。
最近では、政界に打って出ないかと誘われたり、
芸能人としてデビューしないかと誘われる始末。
まったく困ったものだ。


