「学校ですよ。 学校には、8時間以上いるんです。 家はね、睡眠時間を除くと、意外にいないもんなんですよ。 朝、家を出て、夜に帰ってくる。 塾や習い事、アルバイトや遊び。 部活をやってる子供は、土日も家に居ません。 だからね、」 俺は、飲み干したカップを皿の上にことりと置いた。 「全ての子供が、 共通して一定以上の時間を拘束されるのは、 間違いなく学校が一番長いんですよ」 「なるほど。 つまり?」 記者が腰をおろしたソファから、 ぐっと前に身を乗り出してきた。