「なるほど。それで、Z塾に通われたんですか?」
雑誌の記者が、俺に質問をしながら、
返事をメモに取っている。
「ええ」
「それで、結果は?
成績は上がったんですか?」
「あはは。まさか!
俺の成績は、ちっとも上がりませんでしたよ」
俺は、コーヒーに口をつけながら、
笑って答えた。
そう、いくつ塾を変えても、
俺の成績はさっぱりだった。
夏が終わり、運動部の連中が
勉強に100%の力を注いできたのも大きいが。
「え?どうしてですか?
いい塾に替えて、
成績がUPしたって話じゃないんですか?」
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