次の日、
俺は早速Y塾へ行ってみた。
X塾が、マイクを使って大勢に授業をしていたのとは対照的に、
Y塾は、細かい仕切りがいくつもあって、
先生と1対1で指導を受けるようになっていた。
なるほど、これはいい。
俺はすぐに飛びついた。
母は、この間入学金を支払ったのに、
とちょっと文句を言ったが、
俺が頑張るのなら、とY塾へ通わせてくれた。
個別指導ってのは、
確かにおもしろい。
俺の進度に応じて、勉強を見てくれるし、
アドバイスも決め細やかだ。
大学生のアルバイトらしきお姉さんに
ちょっとドキドキしながら、
俺は、次の中間試験で、
成績が上がることを夢見た。


