夏休みの間は、学校の補習授業には出ず、
すべて塾の夏期講習に費やした。
確かに、この塾は前に比べると
はるかにレベルが高い。
さっさとここに通っておけばよかった。
俺はほんの少し後悔したが、
まあいい。
今からでも充分間に合う。
家に帰ると、俺は疲れて、ソファに横になった。
慣れない授業にもうくたくただ。
これだけ頑張ったんだ、
ちょっとくらい休憩してもいいだろう。
俺のぐったりした様子を見て、
母親がジュースを運んでくれた。
「あんたは、やればできる子なんだから。
母さん、嬉しいわ。
やっと本気になってくれて」
母は、上機嫌で鼻歌を歌って立ち去った。


