家から出したことがない、 というのは--、 今重篤な状態にある、 この少年のことであって、 何か他のものの話ではない。 にわかには信じられぬその言葉に、 俺はもう一度、 念を押すように確認した。 「一歩も出ていなくても、 家族は家にこもってるわけではないですよね? 家人と接触すれば、 風邪の一つくらいひいたことがあるしょう?」 しかし、俺の質問は、 その答えによって、 更なる驚嘆を呼んだだけであった。