俺は、看護士にその女性を離す様、 目で合図をした。 救急の現場で、 身内が治療の邪魔になる事は良くあることだった。 ストレッチャーを押しながら、 俺は必ず助けてやるからな、 と、その少年に誓った。 と、 「おい! CPAじゃないか!」 俺は大声で叫んだ。 CPAとは、心肺停止のことで、 放置すると命の危険がある。 一刻も早い蘇生が必要で、 たとえ助かっても、 脳に酸素が回らない状態が 長く続けば、 植物人間になったり、 後遺症がのこったりする。