「どうですか?

新しい入居者は」


「あぁ、施設長。

それが、自分は携帯電話の開発者で、

われわれを訴えると、

そればかり繰り返してまして」


「そうか。

慣れるまでは仕方あるまい。

年を取ると、多くが物忘れの病にかかる。

だが、携帯電話のおかげで

その情報がスムーズに得られるようになり、

人々を保護できるようになった」


「そうですね。

携帯に情報が入ると、

車の運転もロックがかかって、

未成年や無免許、物忘れの病の人は

運転できませんしね。

徘徊しても、情報が家族に伝えられて

行方不明になることも減りましたし」