「とにかく、 携帯がないと困る。 私の携帯を返してくれ。」 「困りましたね。 実は、こちらであまっている携帯は ないんですよ。」 「なんだと! それでは、私の携帯を その物忘れの患者に渡したと言うのか!」 私は怒りで声が出ない。 なんとか冷静さを 取り戻して、男に口をきいた。 「では、この携帯で 年齢や性別を調べたまえ。 私とは明らかに人物像が違うだろう。」