「実にすばらしい! 特に、あの大作は、 本当に、筆舌に尽くしがたい ほどの、名作ですな!」 辛口で有名なはずの 美術評論家が、 まるで、 砂糖を入れすぎたココア のように、 甘い言葉を口にする。 それもそのはずだ。 あの作品を前に、 辛口批評など、 できるわけがないのだ。