「おい朝比奈…」
門田が小声で問いかける
「いや、授業はうけないと…」
焦りが自分の中を支配する。
顔に嫌な汗が滲むのがすぐにわかった。
漫画とかだとこういう時に立ち上がって好きな人のところに行くんだろうけど、流石にそれはしない。

だって恋人同士でもないし……

今日出発するわけでもないから


焦るな





授業の終わりを告げる音がなって
その瞬間に私は教室を出た。


もちろん鞄を持って。