翌朝―――

「結婚してくれますか?」

もう一度高瀬はそう言って・・


渡された小箱――――

「これ・・・」


「うん。ずっと前にプロポーズしたときに買ってたやつだけど。」


「前のプロポーズって?いつ?」


「おいおい、あの時だよ。忘れたのか?」


まさか・・あれがプロポーズだったなんて・・・。


「俺も若かったからあれが精一杯のプロポーズだったのに・・・。

お前って・・・。」


「転勤になったら一緒に行こうじゃ分かんないよ。」


「どう考えたって結婚しようだろ?」


「わかんないわよ。あんなの!」


逆切れ・・・


わかってたら・・・わかってたら?


でも、もう今となっては、昔のこと。