OL社内規程

「言えないことなら、聞かないし・・・。」


高瀬は、なかなか話し出さなかった。


さっきからずっと無口。


私ばかりしゃべってる。



軽い感じに話を持っていこうとこっちは気を使ってる。



女の子より・・・扱いにくい・・・・。



もう私は随分前から相談役モードに入ってる。



まあ確かにそうでもしないと・・・



気持ちが過去へと飛びそうになるから・・・




「相談があるって言ったのそっちだからね。

まったく・・・・。」



しょうがないから食事に専念する。


高瀬はさっきからワイングラスを見つめたまま

それをグルグルやってる。



なんとなく・・・


分かってた・・・



女の子じゃないけど恋愛の相談ってなかなか言い出しにくかったりする。


これはきっと恋愛相談だ。


分かってた気がするけど・・・


今度は誰と?


私に相談なんて・・・


どんな?


今までとは違うの?


あの時から・・・


ずっと高瀬の恋愛を見てきた・・・


高瀬への思いはきっぱり忘れて・・・


のつもりだった・・・


そのはず・・・だった・・・