離婚、離婚、離婚・・・


「いつまでたっても、工場続けて。これじゃあ、借金が増えるだけでしょ」


私はその場を動けなかった。


「そんなに工場が好きなら、一人でやればいいでしょ?家族のこと考えられないなんて、最低よ」


そのあと、お父さんが何か言ってるみたいだったけど。


もうなにも聞こえなかった。


私はとぼとぼと階段を上がって、自分の部屋に入った。


下に行かなきゃよかった。


襲ってきた後悔。


衝動的だった。


着替えをして。


財布とケータイをカバンに入れて、家を飛び出したのは。


「先生の嘘つき」


もう雨は降ってなかった。


その代り、晴れた空には星がいっぱい。