下ではやっぱり喧嘩。


「いい加減にしろ!」


「あなたこそ、どうにかしてよ!」


大きな声に、びくっと身体が震えた。


いい加減にするのも。


どうにかするのも。


二人だよ。


正直、喧嘩の真っ最中にリビングに入りたくなかったけど。


体温計が欲しかったから。


リビングのに入るための、ドアノブの手をかけた。


少しだけ、開いたとき。


私は、信じられない言葉を聞いた。


「もう、無理」


それは、お母さんの声だった。


「離婚して!」