「おはよう、愛花」


朝起きて、下に行くと。


お父さんが、台所で何かしてた。


「なにしてるの？」


「なにって、朝ごはん」


「お父さん、作れるの？」


「これでも、一人暮らししてたからな」


「ふーん」


台所に立つお父さんを見るのは、なんだか新鮮だった。


つい最近まで、お父さんもお母さんも毎日険しい顔してた。


でも今は、なんだか穏やかな表情になったと思う。


「お父さん」


「なんだ？」


「お母さんと別れて、よかったって思ってる？」


「なんだよ、急に」