“コンコンッ”
数字教材室に出向いた。
「はぁい?」
「失礼します」
「羅葡、どうした?」
桜木が最近、私の事を名前で呼ぶ。
心臓がぎゅ〜ってなる。
嬉しいような悲しいような
「…ぃ……羅葡?大丈夫か?」
「えっあぁ〜ごめんなさい」
「血が足りない?」
優しくて甘えそうになる。
首を横に振る。
心配した様な顔をしている。
そんな顔をさせたくて来たんじゃないのに。
「えっ!!…ど…どっか痛いのか?」
頬を指で擦られた。
泣いていた。それを実感してしまうと止まらない。
涙は休むことなく出てくる。
「羅…葡?」
「私は、桜木に何をしたの?」
「はっ…?」
「あのパーティーの時、私は貴方に血を吸う以外に何をしたの?」
涙を堪えて言った。
「羅葡は覚えてないんだ。パーティーに行って、羅葡とあそんで、羅葡に血を吸われた」
私にはその後の記憶がない。
長が隠ぺいしたの!?