「もぅやだぁ〜たっくんったらぁ♪」

「なんだよ〜本当のことだろぅ♪」


「………」


只今、彼氏の家の前。小さなアパートで声が丸聞こえなんだよね。
偶々近くに来たから寄ってみたら……。

「浮気かよ」

浮気なんて今に始まったことじゃない。
自分で言うのも難だけど、綺麗な顔に産まれた。
男も寄ってくる。
でもキス止まり。
だから浮気されたり、飽きられたりする。

だけど、ムカつくのはムカつくからインターホンを鳴らした
彼氏が出てきて案の定ビックリした顔をしてる。



「どっ…どうした?」


声裏返ってるし。



泣き寝入りなんてしないよ、絶対許さない


「誰?その子?」


「い…妹?」


ベタな言い訳だな。


「はっ!?」

相手が怒り始めた。
誘ったのは彼氏だった。
今日は暑い。5月なのに何この暑さ怒りが増した。

「別れてあげるから。最後に私の家に薔薇200本贈ってくれる?手切れ金変わりに」


薔薇がいくらするのか知ったこっちゃないけど、私のエネルギー源なんだよ





と言うのも、










私の家は古くからある血が流れている。