その夜はいつもよりイライラしてた。 わからない。それがわからないからイライラする。 ――ドンッ 「あ?」 見るからに柄が悪く、ムダに図体がデカい男が俺を威嚇する。 「誰にぶつかってんだよ?」 「……んだよ」 滑り込むように手をポケットに入れ、中にあるものを握る。 「ガキがナメた口聞いてんじゃねぇぞ!!」 男の手が俺の背中を掴んだ瞬間、サバイバルナイフを出し、 「死ねやぁ!!!」 俺は男の脇腹を刺してた。