その者の口元はかすかに上がっていた。






「言え」

「知らない」


しつこいぐらいに訊いて来る。


でも、深黒は知らないとしか言わない。






「言わない…正しい判断だ」


本を読みながら廊下の壁に寄り掛かっている騎士。


だが、先程とは何かが違う感じがする。


何か恐ろしい感じが…



「言えば、君もバレる。カイ」