W・LIFE

家を出てしばらく歩くと友達の彩子<アヤコ>家がある。

「おはよー、万里」
「おはよー…」

さっきまでイライラしてたのが少しだけ消える。
高校1年から同じクラスになって今年で2年目。南雲先生が好きだっていうのを唯一リアルで喋ってる友達。

「朝から暗いよ」
「南雲先生がお姉ちゃんと結婚するんだって」

彩子の動きが止まる。
正確には喋ってたのが止まる。
あたしが彩子の立場だったらやっぱりそうするし。

「えー、どうして!?」
「1年前に偶然再会してあたしに内緒であたしの話してたんだって」

それがどうしたら結婚に繋がるのか、なんてあたしには分からないし、理解しようとも思わないけど。
南雲先生が好きだっていうのはあたしだって同じだ。

「あきらめるの?」
「冗談でしょ」

あきらめられるなら好きにならないよ。
そう言ってやったら彩子は満足そうに頷いていた。