外に出て目に入ったのは一台の自転車。 「ちょっと遠いからねー。後ろ乗って?」 そう言って荷台のところをぽんぽんって叩く。 だから厚着か。 納得すると荷台をまたぐ。 重いとか思われるのは嫌だな。 今さらながら夜ご飯少なめにすればよかったなんて後悔した。 「よーし」 そう言うとあたしの両腕をつかんで自分の腰に回した。 「しっかり捕まっててね。20分くらいだから」 そう言うとゆっくり走り出した。