「迎えに来て。場所は……」 彼女は静かな声で 電話の相手に ここの場所を指示していた。 彼女の声は弱かったけど 言葉は命令口調だった。 電話に出たコレノリという男の人は 絶対におれよりも年上だと思う。 その人に命令口調で話すなんて しかも迎えに来いだなんて 一体彼女は何者なんだろうと 不思議になった。 電話をする間も 彼女はおれの背中に 頭をつけていて 彼女の声の振動が おれの背骨に伝わってきて すこし心地よかった。