「お願い、一人にして。」

「…出来ません。結衣様がそんなに傷ついているのに、放って置くわけには…。」

「私ね、今泣いてるの。涙を見られるのって絶対いやだ。

だから…一人にして…。」

私は呼び止める大翔さんを無視して、全力で駆け出した。

私、逃げてばかりだ。

亮介からも、心配してくれてる大翔さんからも。

それでも私に出来ることは、ただただ逃げ続けることだけだった。