ディナーを終えた後、いつものように車でうちまで送ってもらう。

だけど何を言えばいいのか分からなくて、車内は無言だった。

ラジオから流れる洋楽が、二人の間に溝を作ってるように感じた。

あっという間にうちの前に車が止まる。

「じゃあ、今日はありがとうございました。」

「こちらこそ。今までありがとう。迷惑かけたね…。」

忍成が、悲しそうに笑うから、また喉の奥から涙が込み上げてくる。

溢れそうな涙をこらえて、あたしは車を降りて、ドアをしめた。

忍成の車が消えていくのを見つめながら、一人、こらえていた涙が溢れて、声を上げて泣いた。