でも───・・。


「なんでぇ〜。なんでこんなのしかないの〜・・・・」


次の瞬間には、必死に勝負下着になりそうなものを探していたり。

といっても、小百合の言った通りでそういう類のものは1つもなかったんだけど・・・・。


「服っ!こんなジャージじゃ会いに行けない!着替えなきゃ!!」


クローゼットの中を引っ掻き回して、あれやこれやと変に見えなさそうな服を選んでみたり。

けれど、結局はいつもの服になってしまったんだけど。

・・・・と、異様なまでに意識しまくりのあたしがいた。


なんだかんだで楽しみにしているんじゃん、あたしってば。

これは本当に、小百合に選んでもらわないとダメかも・・・・。










“会いに行く”という口実に、晩ご飯に作りすぎたシチューをタッパーに詰め、いざ・・・・!!

小百合との電話のせいで、部屋を出るときに見た鏡の中のあたしはものすごく顔が赤かった。


だけど、こんな自分も許せちゃうくらい早く会いたくて。

あたしは部屋の呼び鈴を押した。