◇未来side.*:・゚



どこが“あいてるけど”なのかと思えば、その答えはココだった。

気づいたときには、あたしは登坂さんにすっぽりと包まれ、ふわりと煙草の匂いが鼻をかすめた。

愛用のマイルドセブン。


今度はあたしから言う、って言ったのに、途中でやめさせられちゃうなんて。

登坂さんの突然の行動に頭が真っ白になって、瞬きさえ忘れた。

それに、返事をする前に抱きしめるなんて完全にフライング。

でも。


「ふぇ・・・・」


嬉しくて、嬉しくて。

やっと気持ちが通じ合えて、溢れる涙を止められなかった。


「俺とつき合って」


その声は少し震えていて、登坂さんの体も少し震えていて。

たぶん・・・・ううん、きっと、見えないけれど泣いている。


「はい・・・・」


そう答えたあたしの声も、自分じゃよく分からないけど、きっと震えていた。

登坂さんとあたしの心臓の音が、歩調を合わせるように次第に同じリズムで刻みはじめる。

登坂さんの体温があたしの体に流れ込んでくる。