亜里沙ちゃんはぴょんと出窓から飛び降りた。

 両肩がカボチャくらいふくらんだ白いドレスを揺らして近づいてくる。


「見北絵里さんよ」

 羊さんが紹介してくれた。


「はじめまして柳沼亜里沙です」

 私が挨拶するより早く亜里沙ちゃんが頭を下げた。


「み、見北絵里です。よ、よろしく」

 出遅れた私はしどろもどろ。


 よく見ると鏡の中の少女とは顔立ちこそ似ているけど全然違う。

 目はクリッとして大きいし、茶色の虹彩の目は黒目がちのあの少女と違って愛くるしい表情を生み出している。

 髪が栗色の巻き毛でちょっとハーフっぽい。

 それに……頭は欠けていない。