「亜里沙お嬢様の部屋へご案内いたします。付いて来てください」

 玄関で笑顔の羊さんに迎えられ、カーブを描く階段を上って2階へ。


 2階の廊下の上に天窓が設置されていて、1階の中廊下とは比較にならないほど明るかった。

 左右に5つの部屋があり、右の角部屋のドアに薄い板がかけられ“亜里沙”と文字が転写してある。


 部屋に入る前に羊さんは「今から1時間お世話をお願いします」と頼まれ、私は頷いて了承した。


「亜里沙ちゃん、入りますよ」

 羊さんがコンコンと優しくノックしてからドアを開けた。