「付き合ってみればいいのに」と私が茶化すと「私はミキがいいの」と言ってくれた。


 純子は男子より私を選んでくれた。


「友情の方が恋や愛よりも実体があるような気がするんだ」

 しみじみと純子が語った言葉の意味を、そのときの私は全然理解できなかった。


 髪を切る度に短髪になり、私服でスカートをはかないことや立ち振る舞いが男の子っぽくなってきている。


 純子には男の子の部分が存在している。本人は気づいてないのかもしれない。


 私は「ジュン!」と呼べない。ジュンってまるで男の子の名前じゃない。


 “子”を付けることで、純子には女の子のままでいてほしいという願いをこめている。