「ところで身分を証明するものをお持ちかしら?履歴書は必要ないとメールでお伝えしましたけど、念のために確認させてもらえますか?」 「いいですよ」 私は生徒手帳を差し出した。 「2年生なんですね」 「はい」 「来年は受験かしら?」 「まだ進路は決めてないんです」 私は少し恥ずかしかった。高校2年生にもなって、自分の将来を具体的にイメージできないのだから。