フッと気を失った純子を唖璃子ちゃんは右手で突く。


 純子の体が宙に浮き、プラットホームの下へ流されていく。


 2人が繋がっている絆は私の右手と純子の左手だけ。


 幼い頃の『友情』という遊びが脳をかすめた。


『どうするの?電車が来ちゃうよ。あなただけなら助かるかも』

 唖璃子ちゃんが私を試すようなことを言った。


 確かに手を離せば、私は一時的に助かるかもしれない。


 でも、そんな手には乗らない!!


 私は左手で唖璃子ちゃんの腕を掴み、足を軸にして回転した。