「もちろん、友達だよ」

 私は即宣言した。


「よかった。今日ね、お花持ってきて教室に飾ってあるんだ。見に来ない?」


「うん見たい。どんなお花?」


「見てからお楽しみ。さぁ、行こう!」

 純子は笑顔で私を引っ張る。


 お互い父親がいないという共通点もあってすぐに仲良くなれた。

 学力のレベルが同等で一緒の高校に入学。

 2人とも数学が嫌いで国立文型コースを選び、高校2年生になってクラスメイトになれる幸運にも恵まれた。


 いま思えば純子はわざと手を離したのではないだろうか?

 回っているとき、私が苦しそうな表情をしたからかわいそうだと思って……。