「でも頭のケガはちゃんと診てもらっ……」 「心配してくれてありがとう」 私が喋り終わらないうちに純子が言葉をかぶせる。 「本当に大丈夫なの?」 私は心配でたまらなくて念を押す。 「足はだいぶ回復してきたんだ。無理をすれば走れるし」 純子は腿を高く上げて走る真似をした。 私はその姿を痛々しく見守った。 純子が無理やり自らの気持ちを奮い立たせている気がしてならなかった。