次の日の朝、純子には新たなケガが増えていた。

 頭に包帯を巻いている。


「ど、どうしたの?」

 私は動揺しながら訊く。


「躓いたときに頭も打ったみたい。朝起きたら頭が痛くって……」

 純子の言葉は言い訳じみていた。

 昨日は頭にケガの痕なんてなかったし、頭が痛いという仕種もしていない。時間が経ってから痛みがぶり返すことはないとはいえないけど……。


「病院に行ったほうがいいよ」

 反応を確かめるために私は純子の腕を引っ張る。


「大丈夫、ほっとけばそのうち治るから。お金ももったいないしね」

 純子は私の手を軽く振り解く。