「これで3日は持つな」 純子は金色の両手鍋から食欲をそそる匂いを嗅ぎ、確信めいた顔をした。 「えぇ~勇人君が可哀相だよ」 私は笑いながら純子の肩を叩く。 「大丈夫。今日はカレーライス。明日はカレーうどん。明後日はカレースパゲティなのだ」 恐怖の献立を聞かされた私の腹は捩れた。 「お腹空いたね」 「うん」 あのときに食べたカレーライスの味はいまでも忘れられない。