誘われる度に心は泣いていた。


 休み時間にあちらこちらで『友情』が行われていた。


 廊下の端を通って避けてようとすると後ろから肩をトントンと叩かれた。


「ねぇ、私と友情やらない?」

 純子だった。

 違うクラスだったけど、運動会や学芸会で目立つ存在だったので顔と名前は知っていた。


「う、うん。いいよ」

 私は嫌々ながら首を縦に振った。

 『友情』を断ればシカトされる雰囲気が学校中に広まっていたからだ。


「もっとガッチリ握っても大丈夫だよ」

 言われた私は純子の手を力強く握った。

 相手に“痛い!”と不愉快な顔をされるのが嫌でいままで遠慮していた。