私はバスの中で悪夢を見たことだけを話した。
「やっぱり私が話した都市伝説が原因なのかな?」
純子なりに私の異常ともいえる行動の原因を考えて、自分に非がないか確かめてきた。
「違う、違うよ」
私は大きく首を横に振った。これほど心配してくれる純子に事実を話して責任転嫁することなんてできない。
「そう……」
純子は伏し目がちになる。
“違うよ”という言葉だけでは納得させられない。隠し事があることを悟られてしまった。
「ごめん、いつかきっと話すから」
約束は必ず果たすという意味をこめて、振り絞るように言葉に力を入れた。



