1時間後、私は自宅のマンションにいた。 だけどいつもの寂しさはない。 だって隣に純子がいる。 「ごめんね」 純子の前だと私は謝る台詞しか言えない時代遅れのロボットのようだ。 そんな私に純子は肩を抱き、頭を撫でてくれる。 泣き声混じりで私が電話すると純子は飛んできてくれた。 いま思うとバスから降りた停留所の名前をちゃんと言えたかもわからない。 私を見つけた純子は理由もなにも聞かずに、タクシーを拾ってマンションまで連れてきてくれた。