トンネル内の暗闇とオレンジ色の照明がコントラストとなって流れる車窓の中にあの少女がいた。 地下鉄駅の鏡に映っていたあの少女が……。 走行方向を向いて横顔を見せているけど、眼球だけを動かして私を視界に入れている。 「ど、どうして?!」 私の声は震えた。 『ここまで来ちゃった』 少女はニヤッと笑ってこちらを向き、また醜い断面を見せる。 「きゃぁ~」 私は目を閉じ、耳を塞いで少女の存在を拒絶した。 ★ ★ ★