★ ★ ★ 冷房の利き過ぎなのか、ちょっと寒いなと感じて頭をもたげた。 小ぶりな一人掛けが主体のバスの前方に乗客はいなかった。 あれ?!乗ったとき何人かはいたと思ったけど、どこで降りたんだろう? 後ろを見ても誰もいなくて乗っているのは私だけ。 バスはいまだにトンネルを走行中。 長いトンネルなんて記憶にないし、通るのは交通量の激しいトンネルで両側の側面に向き合わせた照明が並んでいたはず。 いまバスが走っているのは片側にオレンジ色の照明が千鳥に配列されている寂しそうなトンネルの中。