「すいません」 私は紅茶を口に運び、亜里沙ちゃんは両手で甲斐甲斐しくガラスコップを持ってオレンジジュースを飲む。 休憩している間に1時間が過ぎてしまったので、亜里沙ちゃんは少し不満そう。 それでも初対面のときより別れを惜しむことはなく、お見送りは自分の部屋まで。 「バイバイ」と元気に手を振る表情にはまた来てくれるという安心感が漂っていた。 頼られているという充実感に包まれたのも束の間、玄関ロビーで羊さんから茶封筒を渡されると気持ちは沈んだ。