「ごめんね、急な用事ができちゃって……本当にごめん」 純子は急な用事の内容は教えてくれなかったけれど、私は2人で登校できる喜びで十分に心は満たされた。 その日の純子はいつもにも増して優しかった。 休み時間は私から離れず、冗談を言って笑わしてくれた。 久し振りに本気で楽しい時間を過ごせた。 そして、3回目となる柳沼家の訪問。 私が玄関ロビーで靴を脱いでいると、亜里沙ちゃんが後ろから腰に手を巻きつけてくる。 「ミキお姉ちゃん、会いたかった……」