だけどテキストを捲る度、新たな言葉が鎮座していて。


暗記や英語が苦手な私は、何だかんだで苦労しているけど。



専門店でもまだ新米で、平々凡々なイチBAだとしても。


昔から化粧品が大好きで選んだ、この仕事だもん。


プロ意識を持って、常に接していきたい…。



とか言いつつ・・・


マンネリだった彼氏と円満に別れた今は、もの凄い暇人だし。


暇が減るうえ、スキルアップに繋がるしね…?



そうして熱中していても、予想通りに誰もお客さんは来ない。


平日の閉店間際だもん、仕方ないよね。




「あ・・・」


気になる成分を発見し、名前と効能ノートへ書き出していれば…。




「未月~!」


突然耳をつんざくような声で呼ばれて、バッと勢い良く顔を上げた。